2024衆院選で経済はどうなるか

2024年8月の消費者物価指数は前年比3.0%の上昇であった。名目賃金のほうは(単純な給料の上昇)は前年比+3%である。そして、物価上昇率を差し引いた実質賃金としては-0.6%となっている。

このような経済状況であるが、衆議院議員選挙によってどのように変わる可能性があるのか考えてみる。

「2%維持」「0%超」「高圧経済」など

自民党をはじめ、基本的にこれまで日銀と政府が掲げてきた「物価上昇率2%」の目標を維持、もしくはそれに準じた安定的な物価上昇を金融政策方針とする党が多いようだが、立憲民主党は「物価目標0%超」とした。

昨今の物価上昇による国民生活の影響を考えての公約であろう。より現実的な数値目標ではあるかもしれない。しかし、現在の目標2%から下方修正と捉えられるので、金融引き締めという印象を受ける。立憲民主党は「プラス領域という意味」と説明している。

国民民主党は逆に、金融緩和路線を掲げている。金融緩和により、名目賃金の4%上昇と「高圧経済」を推進するという。需要拡大を促し、物価上昇、賃金上昇を目指すというものだ。名目賃金は、単純な給料の増加を示す。

いずれにしても、物価上昇プラスを目標とするので、トーンは様々だが、長期的な物価上昇と賃金上昇を目指す事に変わりはないが。

高圧経済とインフレ

高圧経済とは、コロナ禍のような一時的な経済ショックがあったとして、そこから金融緩和により景気が回復した後も、金融緩和を継続して需要を促し続ける方針である。例えば日本がバブル崩壊のショックから長年立ち直れなかったように、一時的なショックから回復したように見えても長期的なダメージを負う可能性があるとの考え方による。高圧経済政策で有名なのは米国のイエレン財務長官である。

高圧経済は金融緩和であり、需要の拡大を目指すものだが、当然、物価上昇を招く。需要の拡大が物価上昇をもたらすインフレをディマンドプルインフレという。現在のインフレは、資源価格と人件費の高騰が原因のコストプッシュインフレである。コストプッシュインフレは賃金上昇につながりにくく、それでは景気拡大しない。高圧経済の推進は、現在のコストプッシュインフレを脱し、ディマンドプルインフレへの転換を目指すものといえる。もちろんご承知のとおり、やりすぎの金融緩和は極端な円安やインフレなどの影響が考えられる。


「0%超目標」への修正か

「高圧経済」の推進か

「2%目標継続」による現状維持か

投票する皆さんは、なにを選ぶか考えてみてほしい。